以前、関西在住のYさんから興味深いご質問を受けました。
「すでに賞味期限切れの食材を、いくらかでも現金化するためのコピーは書けるものですか?」
これ、非常におもしろい質問だと思います。
抽象化すれば、「すでに価値がなくなった商品でもコピー次第で売れるのか?」という問いです。
一般的に、コピーライターとしては、商品価値ができるだけ高い商品を売りたいものです。なぜなら、そのほうが簡単に売れるからです。
とはいえ、世の中の商品は全部が全部、商品価値が高いわけではないので、商品価値がそこまで高くないものでも、なんとか魅力を見つけ引き出そうと工夫していくことのほうが多いのです。
ただ、今回はさらに難易度が上がり、そもそも商品価値がないものを売るにはどうすればいいのか?!という問いでした。
実は、ここにコピーライティングの真髄があります。
商品価値がないものを売るにはどうすればいいのか?
その答えは「再定義」です。
ここでいう再定義とは、その商品の主となる価値で売らずに別の価値を与えるということになります。
どういうことか?
今回の質問でいえば、食材を食材としての価値で売らず別の価値を与えて訴求するということです。
例えば、腐りかけのバナナを売るとしましょう。
その際に、腐りかけのバナナを食材(食べ物)としてそのまま売るのではありません。バナナの主たる価値は食べ物としての価値ですがそれを再定義してみるのです。
例えば、「だらしない生活を送っている人の部屋のダイニングテーブルに置いて堕落性を強調するのに使う、ドラマの小道具」として売るといったことも考えられます。
もちろん、実際はそんな需要はほぼほぼなさそうですが、食材を食材としての価値で売らずに、別の機能や価値を見つけだして売るという再定義力が重要ということになります。
他の例として、仕事のできないポンコツな職員がいたとして、人事としてはどうやって配属先の部に説明するか悩んでいるとしましょう。
仮にここで「仕事のできない職員なんですけどよろしくお願いしますね」と送り出しても「そんな厄介者をうちに押し付けるな!」と反発されておしまい。
ではどうするか?
ここでも再定義力が使えます。例えば、「ポンコツ職員を部内全員で面倒をみることによって、部全体の連帯感を高められる」といった価値を見出すことだってできるはずです。仕事の出来として価値ではなく、連帯感を高められるという価値として売り出すということです。
このように、再定義力があれば、一見すると価値がなくなったように見える商品にでも新しい価値を見出すことができます。
ボロボロの服、壊れかけた椅子、インクが切れたボールペンなど、一見すると価値のないものを自分ならどう価値を与えていくのか、ぜひ日頃から考えて頭の体操をしてみてください。
再定義する練習を日常的にやっておけば、いざ自分の商品を売り出す時にどうやって価値や魅力を伝えるのかに役に立ちます。
ぜひ参考にしてみてください。

