思い出の上京ソング

以前、本の出版に合わせた出張で東京へ行った時の話。

北海道在住の自分にとって、東京はやはり異質な場所だ。
地続きでないため、移動はほぼ飛行機。鉄の塊が90分間の走り幅跳びをして着地する異国。

大学生の頃、就活で何度も来ていた頃の記憶が原体験としてあるが、東京は夢を叶える街というイメージが未だに根強い。

住んでいる人にとってはそんな感覚はないと思うが、北海道民からすれば、いくつになってもすごいところに見えるものだ。

そんな自分が就活の当時聞いていた上京ソングが、ベタだけど長渕剛の『とんぼ』。

長渕は鹿児島出身で東京に出てきた。地方出身者が東京に出て夢叶えてやるという気概に溢れた曲が当時から好きだった。

シャ乱Qの『上・京・物・語』もそう。彼らも大阪から東京へ出てきた。

ただ、一つ、『とんぼ』にどうしても共感できない歌詞がある。

それが1番Bメロの『北へ北へ向かった』という歌詞だ。

そう、鹿児島から東京へは「北へ北へ」と進む。一方、北海道から東京へは「南へ南へ」と進む。

逆なのだ。

ここだけが毎度ひっかかり、感情移入ができなくなる。

北海道から北へ北へ向かうとそこは樺太だ。真の意味での異国である。

同じく、シャ乱Qの『上・京・物・語』のタイトルもそうだ。

上京という文字を見ると、地図の「上」へ進むイメージがある。しかし、北海道から東京へは「下」へ進む。

逆なのだ。

もちろん、ここでいう上京とは、物理的な空間を上(北)に向かうことを指しているわけではないことは百も承知である。

とはいえ、文字面だけを見ると逆だ。だから地味に共感できなくなる。

南へ向かう下京ソング、誰か作って。

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